【SS】天才少女の復讐法。
バスから降りて、俺はお墓に向かった。
そしてタオルで、綺麗に水拭きをしていく。
……やけに静かなこの空間が
今はものすごく、寂しく感じた。
1年前は、隣にいたのに
今はもう…誰もいない。
不覚にもそんなことを思ってしまって
水拭きしていた俺の手は
不意に止まってしまった。
……雫も、お母さんとお姉さんが
亡くなった時は……
ずっとこんな感じだったのかな。
……ずっと1人で、
お墓参りに来てたのだろうか……。
そして……
「………ッ」
1人で、泣いたりした…?
……今の俺みたいに……__