友情は初恋と引き換えに
「行きなされ。大切な人が待っておる」



行かなきゃ。



2人のところへ。



「私、行きます。おじいさん、ありがとうございました」



一礼して遠くに見えたわずかな光に向かって走り出す。



「鳥は置き去りにはしていない。2羽の子鳥は待っておるのじゃ。羽を広げて一緒に飛べるその時を…」



私はおじいさんの声に耳を傾けながら、迷わず全力で走る。



龍人とまゆが待ってる。



私を待ってくれている。



そんな気がするから。


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