友情は初恋と引き換えに
「ほら、教室帰るぞ」



「行こ!つむぎ!」



2人が私に手を差し伸べる。



『鳥は置き去りにはしていない』



まゆと龍人は私を置いて行ったりなんかしていない。



『2羽の子鳥は待っておるのじゃ』



ずっと私を待ってくれてたんだ。



『羽を広げて一緒に飛べるその時を』



3人で歩いていけるその時を。



私は2人の手をとって走り出す。



「待っててくれてありがとう…」



小さな声で呟いた。



「ん?なに?」



「なんかいったか?」



「……んーん!何にもない!」



今日は雲ひとつない青空。



暖かい日差しに包まれて、私は2人に「大好き」って心の中で微笑んだ。


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