友情は初恋と引き換えに

好きなタイプ

「それじゃあ15分休憩な。9時20分までには体育館に行っておくように。遅れるなよー」



そう言って先生は教室を出て行き、それと同時にまた騒がしくなる。



15分か…何しようかな…って考えてたら、まゆが私の方に振り向いた。



「つむぎ、トイレついて来て!」



トイレか…私も一応行っておこうかな…。



「うん、いい……よ?」



そう言っているうちに私の視界からまゆが消えた。



突然現れた、私とまゆの話を遮るように立ちはだかる女の子。



誰…?と思って目線を上げると…。



「あっごめん、邪魔した⁉︎…あの、つむぎちゃん、ちょっと聞きたいことあるんだけど…」



珍しくクラスの女子が話しかけてきた。



私はクラスではすっごくおとなしい方で、まゆと龍人以外で話す人なんてほとんどいない。



そんな私に話しかけてきたんだから、きっと急ぎの用事なんじゃないかな…?




こんなモブに話しかけてくる子なんて、そうそういないもん。



「胡桃ちゃん…?うん、いいけど…。まゆ、ごめんね。ちょっと先に行ってて!追いかけるから」



「おっけー!じゃあ行ってくるー!」



私は2人と一緒に教室を出た。


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