友情は初恋と引き換えに
「ちょっと、つむぎ困ってんじゃん。そこまでにしてあげてよ」



入り口から私のよく知ってる声が助けてくれた。



その人物は駆け足で私のところにやってくる。



「ま、まゆ⁉︎ごめん、もうトイレ終わっちゃった?……ん?なんでここに…」



そう、そこにいたのはトイレに行ったはずのまゆ。



でもどうしてここにいるんだろう。



私は中庭に行くなんて一言も言ってないのに。



「それはいいから、つむぎも!ちゃんと言わなきゃダメだよ?」



私の質問に答えてよ〜!



「え、うん……ごめんね、沙由里ちゃん。私…これ以上は答えられない…かも」



困ったように笑って謝った。



「え⁉︎そんな、全然いいよぉ。私が無理にお願いしちゃっただけなんだし…謝らないで!」



沙由里ちゃんが優しい人でよかった。



強気のタイプの人にはあまり強く言えない性格だから…。



「そっか〜…うん、そうだよね。私もごめん!つむぎちゃん」



「胡桃ちゃん…ううん、大丈夫だよ!」



胡桃ちゃんは正直言って、苦手なタイプだから、謝ってくれるなんてちょっと感動…なんて。


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