友情は初恋と引き換えに
「…………」



無意識にビデオカメラを持つ手に力が入る。



「一応事故には見えたけど….大丈夫か?」



私、まだ工藤君に龍人が好きなんて一言も言ってないんだけど…。



まぁ、この際どうでもいいか。



「……大丈夫大丈夫!大丈夫に決まってるじゃん!」



そう言いながらも頭の中はあのキスシーンでいっぱい。



「いや、海崎のことが好きならあんなの…」



「大丈夫だよ!2人が結ばれたら私だって幸せなんだもん」



そうだよ。



そうなったらすっごい幸せなんだから。



「そんな風には…」



工藤君、気遣ってくれてる…。



工藤君はそんなに傷ついたような顔しなくていいのに。



優しいんだなぁ…。



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