友情は初恋と引き換えに
☆*:.。. .。.:*☆



「うわぁ…おっきぃ…」



学校で1年半生活しているけど、鐘を見るなんて初めて。



屋上の中心に置かれた、少し錆びて貫禄のある鐘は、私達の身長よりもかなり高かった。



この鐘が学校創立の時から生徒達を見守っていたんだよね…。



そう考えるとなんだか歴史を感じるな〜。



「この鐘の音、まゆ、未だに何回かしか聞いたことないんだよね〜」



「あ、そういえば私も…なんでだろう?」



1年半も通ってるのに…。



「この鐘、放課後の最終完全下校時刻しか鳴らないからでしょ?……あれ、誰がならしてるんだろ…」



「あ…そういえば、誰だろ?」



まゆの言う通り、この鐘がなるのは最終完全下校時刻だけ。



この鐘が鳴ってもまだ校内にいる生徒は先生に怒られちゃう。



だからみんなも、多分鐘の音はなかなか聴かないはず。



それにしても、鐘を鳴らす人のことなんて聞いたことがないなんて…。



警備員さん…が鳴らしてるのかな?


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