友情は初恋と引き換えに
「げ、如月、松原先生なのか?」



「うん…」



「早く行けよ!怒ると怖いぞ〜」



「だ、だよね。じゃあ行ってくる!」



「おう!」



寺嶋さんに助けてもらいながら椅子から立ち上がり、松葉杖を使ってドアへ進みだした。



「工藤君!」



部屋を出る直前に足を止めて振り返る。



「明日も来るから!明後日も、明々後日も、その次の日も!…だから、相談乗ってもらってもいいかな?」



「おう!当たり前だろ?俺たちは似た者同盟なんだからさ」



私はクスッと笑って病室を後にした。



工藤君に相談したら、また魔法の言葉をくれるかな?



心が楽になるかな?



私も工藤君の苦しみを少しでもなくしてあげられたらいいな…。


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