友情は初恋と引き換えに
まゆも私の隣の椅子に腰掛けて、カバンの中から何かの袋を取り出した。



「これ、お菓子買って来たんだ〜」



「え⁉︎いつのまに⁉︎」



学校帰りにお店に寄ってはないから、前の日に買っておいた…とか?



まさかまゆがそんなに用意周到だったなんて。



「実は俺からも…」



「え⁉︎」



龍人もカバンの中からお菓子屋さんの紙袋を取り出した。



2人とも…言ってくれればよかったのに!



私だけないなんて、なんか不公平じゃん!



「つむぎから圭介はスイーツが好きだって聞いてたから、近くのお店で買ったんだ」



「うわっ!陶山のこれ、あの有名な『にじいろ風船』じゃん!龍人のこれも『鐘のとき』だろ?俺、あそこ好きでたまに行ってるんだよ。2人ともサンキューな」



あー、私も何か買ってくれば良かったかな?



でも、毎日来てるからいいよね!



最初の日とかは持って来てたもん!



いつのまにか持って来なくなったけど。


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