友情は初恋と引き換えに
「……如月も聞いただろ?『俺だけ幸せになるわけにはいかない』って」



「うん……あ、そういえば文化祭の日にもそんな感じのこと言っていたような…」



あの時は聞き間違えかと思ったけど、今日も同じようなこと言ってたし…聞き間違えじゃなかったのかも…。



「俺なりの推測だけどさ……海崎は、如月が怪我したのは自分のせいだって考えてるんだよ」



「え⁉︎だってあれはただの事故だよ⁉︎」



誰かのせいとかで責めたくはないけど、あれは大道具の人が手を滑らせちゃっただけ。



龍人は何も関係ないはず…。



「でも、如月じゃなくて陶山を選んだ。如月を守ってやれなかった…だろ?」



「そ、それは…」



まゆのことが好きなんだし、仕方ないよ。



「それに責任感じてるんだ。だから、自分だけ陶山も結ばれるわけにはいかない…って」



「そんなの!別に私は気にしないし、そんなことなら…」



「いや、あくまで俺の推測だから、合ってるかはわからない。でもさ、ほら、俺も同じ男だから。大切なやつは守りたいって思うだろ?」



もし本当にそうだとしたら?



2人を邪魔しているのは私ってこと?


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