友情は初恋と引き換えに
☆*:.。. .。.:*☆



ガチャ



案の定屋上には誰もいなかった。



あるのはあの鐘だけ。



そっと鐘に手を触れる。



そういえばここに来るのは久しぶり…。



文化祭の準備期間以来だもんね…。



あのおじいさんにも…全然会ってないや。



「工藤君、話って?」



「ああ……如月さ、海崎の件は…」



ああ、そういうことか。



「ん…何も言えてないよ」



「そうか…」



私のせいで龍人とまゆは付き合えずに、ただただ精神的な負担かけてるんだよね…。



「頭ではね、わかってるんだ。私のせいだって。でも…どうしても…」



言葉が出てこなくなるんだ。



『2人が付き合わなくれすむ』って気持ちが邪魔しちゃう。


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