友情は初恋と引き換えに
「全く…どれだけ連絡しても返事ないし、心配したんだぞ〜?」



「ごめんね?屋上でちょっと寝ちゃって…。せっかく時間作ってくれたのに…」



「もういい。つむぎが無事ならいい」



こういうこと、さらっと言っちゃうところが悔しい。



いつもいつも私ばかりドキドキさせられる。



私だっていつか仕返ししてやるんだから!



「あ、笑った…」



「笑った……ああ、緩菜のことか」



私は緩菜が……つまり、お腹の中の赤ちゃんが動いた時に、つい『笑った』とか『怒った』とか言っちゃうことがある。



私と圭介が仲良くしてる時に動くと、緩菜もそれを喜んでくれてる気がするの。



逆に喧嘩した時に動くと、怒ったり泣いたりしてる気がする。



だから、ただ動いたって言うよりも、感情を言葉にした方がいいなって思うんだ〜。



「俺たちが仲良いからだな」



「うん!きっとそう!」



私達の気持ちがきっと緩菜まで伝わってるんだろうな…。


< 255 / 263 >

この作品をシェア

pagetop