友情は初恋と引き換えに
「おう、もうそれに賭けてみようかなって思ってさ。………それで、準備期間中とかまた協力してもらいてぇんだけど…」



バカ…。



龍人の言葉が胸に突き刺さる。



「わ、わかんないよ?さくらマジックがあるからって、まゆがおっけーするとは限らないし…」



私は醜い顔を見せたくなくて下を向いた。



「それはわかってる。でも…賭けてみたいんだ」



龍人のバカ…。



もう何を言っても聞かない気がする。



「でも、もし振られたら…」



もし返事が『Yes』だったら…。



「それはその時だろ」



なんで…そんなこと言っちゃうの…?



涙目になるのを必死にこらえる。



もうどうしようもなくて、辛くて、逃げたくて………。



必至に目をそらして、泣くのを我慢して、下手くそな苦笑いで答えるしかなかった。



「で、でもさ!」



「……つむぎは、協力したくないのか?」



「え…」



したくないよ。



したいわけないじゃん!



なんで私が告白の手伝いしなきゃいけないの⁉︎


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