友情は初恋と引き換えに
「つむぎ、ちょっと頼みがあるんだ…」



降ってくる紅葉を捕まえようと手を伸ばす私に、ふと龍人が声をかけてきた。



「うん、なに?」



手を伸ばしたまま、顔だけを龍人の方に向ける。



「あのさ…」



その先の言葉を言いかけた時…。



「つーむーぎー!」



「へ⁉︎」



遠くから聞こえる大声に驚いて振り返ると、その瞬間肩を強く押されて少しふらつく。



そこにいたのは親友のまゆ。



「ぅへっ…ま、まゆ⁉︎…新学期そうそう元気だね…」



朝から元気なのは低血圧な私からすると羨ましい。



「あったりまえじゃん!…龍人君もおっはよー!」



私に向けるのと変わらない笑顔で龍人にも声をかける。



「おう、はよ。相変わらずだな」



対する龍人は少し照れ混じりの笑顔で応えた。



「へへっ」


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