友情は初恋と引き換えに
「ごめん、陽奈乃ちゃん、まゆがそこまで来てるみたいだから今日は帰るね!」



必死にストーリーを書き上げる陽奈乃ちゃんに一声かける。



教室は私と陽奈乃ちゃんだけだし、ここで1人にして帰るのはちょっと気がひけるんだけど…。



「うん!お疲れ様!また明日ね!」



顔を上げてニコッと笑ってくれた。



「うん、また明日!」



【私も今から帰るところ!

今から行くね、ちょっと待ってて!】



すぐさま返事をしてバッグを肩にかける。



あれ……?



よく考えてみれば、まゆの行ってる新体操って、家の近くだよね?



わざわざこっちまで戻ってきたの…?



何かあるのかな?



……まぁいいや、とりあえず走ろう。



私はまゆの待ってる校門へ駆け出した。


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