友情は初恋と引き換えに
「龍人、さっきの…」



さっき言いかけたことを聞こうとすると…。



「じゃあ俺は先行くな!また後でー」



「…う、うん」



「ばいばーい!」



1人で先に行ってしまった。



まゆは特に私の言葉を気にしてないみたいで、昨日の晩御飯の話を始めた。



あの「また後で」は、後で話すってこと…だよね。



それって、まゆに聞かれちゃまずいってこと…。



「つむぎ?どうかした?」



黙ってしまった私をまゆが心配して顔を覗き込む。



「え⁉︎う、ううん、なんでもないよ!私達も行こ!」



無理やり笑顔を作り、まゆの手を引いた。



「?…うん」



まゆに聞かれたくないってことは…やっぱりあの話だよね…。



龍人がまゆに隠したがる話題なんてただ1つ。



私は少し肩を落としてため息をついた。


< 7 / 263 >

この作品をシェア

pagetop