友情は初恋と引き換えに
ガラガラ…



もう一度、教室のドアを力なく開ける。



「そっか、今日は誰もいないのか…」



誰かいて欲しかったような、いなくてよかったような…。



慰めて欲しいかったような、醜い顔なんて見られたくないような…。



ふと私達3人の席が目に入る。



いつも楽しそうに話す2人。



それを後ろから見つめる私。



「私の方がずっと好きでいつも見てたんだから…」



絶対的有利にいたのは私。



でも告白する勇気が無かったのも私。



多分、龍人はいつか私を見てくれるって勝手に思ってたんだ。



私を1人ぼっちにはしないって。



悔しいって言えば悔しい。



でも、心のどこかでまゆには敵わないってわかってた。



それに、大好きな2人が幸せならそれでいいって気持ちもある。

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