青春メトロノーム
謝罪なのか上から目線な発言なのか分からないけれど、腹が立つのは本当だ。
「私も、心臓に負担があるなんて気づかなくて色々ごめんね」
私が素直に謝るとは思わなかったのか、面食らっている顔が本当にムカついた。
「で、これから帰るの?」
「ん。今日は自宅療養。ピアノの調律とかもしたいし」
「暁がピアノ弾くの!?」
「弾くよ。これでも母さんに教わるの苦労したんだからな。母さんは可愛い女の子がする楽器だからって、本当むかつく」
「おばさんに言っとこう」
「やめろ」
速攻で止めた暁の必死さに思わず吹きだす。
「じゃあ黙っとく代わりにピアノ弾かせてね」
「仕方ねえな」
面倒くさそうに髪を掻きあげながらも、照れてるのを隠しているのが分かった。
「そうだ。悪いけど、優菜の連絡先教えて」
暁が携帯を取り出す。
「なんで?」