青春メトロノーム

私の顔をじろじろ見たあと、電子レンジのタイマーが鳴り、颯太はそちらに気を取られた。

それにしても、どういうことなんだろう。
どうして、颯太が私の目の前にまるで、……まるで生きてるみたいに立って話してるの?

本当に、颯太なの?

颯太は電子レンジからお皿を取り出すと、お皿にはおにぎりが四つ乗っていた。

「やっぱさ、部活の後は腹へるんだよな。全然お弁当だけじゃ足りねえ」
「……プリンも食べたのに、おにぎりも食べるの?」
「ああ。そっちにある鍋の中は、カレーらしいぜ」
「カレーも食べるの?」
「それは、晩飯」

おにぎりを数口で食べてしまった後、牛乳をパックごと飲みだして驚いた。
……生きてたら、颯太はこれぐらいご飯を食べてこれぐらい生意気になっていたんだ。
急に現実に戻された。

「颯太」
「なんだよ。まだ寝ぼけてんのか」
「……生きてる」

ポロポロと涙がこぼれた。

「んだよ!?」
「生きてる。颯太が、生きてる、生きてる、目の前でご飯食べてる。チャラくなってる。生きてる、生きてるの?」

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