青春メトロノーム
ピピピピッ
目覚まし時計が鳴った。
この時計は、高校生になってから買いなおした新しい携帯だった。
時計をみると、7:00
優菜との会話を眺める。
『もー。今度お兄さんが学校に来るときは早めに教えて! 化粧盛るから!』
どうやらお兄ちゃんがこっちの病院に就職するって言ってたあの場面は、この『時』の中にも存在するようだ。
『あと、暁くんの連絡先、ありがとう。嬉しい』
――暁君の連絡先ありがとう?
その字を見た瞬間、起き上がった。
そして下に降りてすぐにこの目で、その事実を見たいと走り出そうとした。
なのに私は急いでいてうっかりベットから転がり落ちてしまった。
起き上がろうとしても、足に力が入らない。
「……んん?」
ずるっと床を這いずくばって、壁まで来てから壁に手を置いてから起き上がろうとした。
なのに、足はまるで時計の針のようにまっずぐ私から生えているだけ。
一ミリも私の意志では動かなかった。
どうなっているのか転がって部屋を確認する。
するとベットのすぐそばに、ピンク色の車椅子を見つけて目を見開く。