青春メトロノーム



その後、颯太は自転車で登校。
身体がまだ完全によくなっていない暁と私は、お兄ちゃんに送ってもらっていた。

私は一応、優菜にお兄ちゃんが送ってくれていることをメールで伝えた。

私は急いで、この世界に慣れなければいけない。
私の足がいつケガしたのか、色々とこの時間の流れを知らないといけない。

「お前、今日の定期健診忘れるなよ」
「はーい。あ、陸月兄ちゃんが迎えに来てくれるの?」
「甘えんな」

二人がケラケラ笑う。
私もそんな二人を見て、笑った。

「お前も笑ってんじゃねえぞ」
 お兄ちゃんが、助手席に座っていた私を睨む。
「え、なんで私?」
「お前もリハビリだろ」
「うそぉ」

リハビリってこの動きそうにもない足のこと?
今日の朝だって、寝転んでしまったら自分では起き上がれなかったじゃない。

痛覚だって全くないのに、リハビリが必要なの?
面倒くさいなって正直に思っていたら、後ろから頭をはたかれた。

「面倒くさがるなよ。それ以上筋力落ちたら、歩けないだろ」
「えー……歩けなくても車椅子あるし大丈夫だよ」

「お前なあ」
暁が呆れて後ろから更に頭をぐしゃぐしゃしてくるので、やめてーと抵抗した。

「お前ら、真面目にしないと今度の日曜のバーベキューはなしだ」
「はあ!?」
「えー、バーベキューするの? やりたーい」

私がお兄ちゃんの腕を掴むと『運転中だろ!』と怒られる。
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