青春メトロノーム


いや、スポーツできてしゃべるとちょっとお馬鹿だけど、身長も高いし一年でサッカーのレギュラーなんだから、当然といえば当然か。

「私が想像していた颯太より、颯太は颯太なんだなあ」
「なにそれ、ポエム?」
「いや、あはは」
「俺も、一人しか見てないけどモテるよ?」

暁がタオルをカバンの中に仕舞いながら、なぜか颯太に勝ち誇った笑みを浮かべている。
何を勝った気でいるんだろう。

「暁くんは、颯太と違ってこう、話しかけやすいし、知的だからねえ」
「何それ。俺なら、どうにかできると思ってんの?」

くすくすと暁は笑うが、私の頭をくしゃっと撫でると自分の席に向かう。

「俺だって颯太より一途なんだからな」

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