青春メトロノーム
青春メトロノーム
リハビリを終えてお兄ちゃんがラーメンをおごってくれたので食べて帰る。
すると、家のリビングに颯太と暁が待っていた。
私が一番最後だったらしい。二人はばっちりお風呂まで入っていた。
「お弁当箱出した?」
からかうように言うと、二人は乗ってこない。
それどころか、私に座るように促した。
ので、私はリハビリの成果を見せたくて、ソファに移動を試みてみた。
「危ないっ」
が、失敗して、お兄ちゃんに支えれらた。
「やっぱ付け焼き刃じゃ駄目だね」
「百花、話があるんだけど」
「うん」
二人は、お互いの顔を見ることもなく私の顔をただじっと見た。
「メトロノームを壊そう」
その言葉に、ソファから落とされそうになった。
「なんで? さっき納得してくれたんじゃないの」
「お前だけ全部知って、行動して、俺たちは全部忘れてるのは納得できない」
「颯太……」
「俺たちも、やり直したい。百花の足は俺たちのせいだから」
お兄ちゃんは、私たちの顔を見て緊迫した空気に首を傾げている。
けれど、私だって引きたくない。
「次は上手くいくかなんてわからないじゃん。このままがいい。このままでいいよ」