青春メトロノーム
二人が険悪なにらみ合いを始めたので、お兄ちゃんが止めた。
「……じゃあ、おばさんに私がもらってくる」
「百花」
「悪い」
「でも私、……私」
本当にこの足のことは二人を恨んだりしないしこのままでいいんだよ。
そう思っているのに、二人が苦しんでいるならば開放しないといけない。
今度は全部うまくいくとは分からないのに。
二人は私の車椅子を押すと、微笑んだ。
そして双子らしく、同じ言葉を言った。
――俺たちは、三人で一緒に歩きたいんだよ。
二人は私の願いをかなえてくれた。
次は、私が二人の願いをかなえる番だった。