青春メトロノーム
お兄ちゃんに言われ、私と暁はvサインする。
「もちろん。私も暁も、バトミントン頑張っちゃうもんね」
「暁、運動して大丈夫なのか?」
「ああ。中学時代、頑張って体力つけたから。そのせいでピアノ全然弾けなくなっちゃったから、母さんはカンカンだけどな」
「その分、ピアノは私がばっちり。吹奏楽で、颯太のサッカーの応援に行くのを目標に頑張るんだ」
「うへえ。お前があの厳しい吹奏楽になあ。何か月持つやら」
お兄ちゃんが馬鹿にしてきたので、一応足を蹴っておいた。
「ねえねえ、クラスマッチの後に隣の市で花火大会があるんだって」
「あーな。女子が騒いでたな。クラスマッチマジックだっけ」
「クラスマッチで格好良く見えた相手が、花火の下でみると、あれ? そうでもないなってなる現象だろ。颯太、お前、マジックかけんなよ」
暁がゲラゲラわらうけれど、颯太はお肉を噛みちぎりながら首を振る。
「俺は百花と行くんだからマジックもくそもねえよ」
「俺が幻滅してやるよ。俺も行くからな」
「あ、お肉焼けたよ」