青春メトロノーム
花のじゅうたんの上で寝転がり夢を見ていたが、それが現実になった。
遠くない未来で、空き地におばさんが育てていた花が一面に咲き乱れる。
その花びらの絨毯の中で三人丸くなって寝そべり、クラスマッチマジックも起こらずに三人で花火を見るのだから。
「今はまだ三人でいいよ」
「俺も」
「私も」
くすくすと笑う。
「だけど、ちゃんといつかは選べよな」
二人が、同時にそういうけれど、私はまだ花びらの絨毯の上で、三人でいる幸せをかみしめて夢を見ている。
まだ、私たちは三人の時間を共有していきたいから。
私たちは三人手をつないで、空を見上げてそう思うのだった。
Fin