青春メトロノーム
「ば、馬鹿じゃないの! あ、あんたが毒舌だったのは小学校から一緒の皆は知ってるわよ!」
思わず後ろからきつく抱きしめて、笑い飛ばす。
どうせ猫をかぶってもすぐに本性だってばれる。
「てか俺、別にモテたくて本性隠すつもりもねえし」
「勿体ない。絶対しばらくはモテるのに」
「好きな奴がいるから」
あっさりとそう言ったのと同時に、自転車置き場まで到着した。
どうやら先生達にもばれなかったようだ。
「好きな人……」
「ガキじゃねぇんだからそれぐらい居るだろ」
ちょっとだけ冷たく感じるその言葉。
「だから三人でいるのが嫌、じゃなくて私と居るのを見られるのが嫌?」