青春メトロノーム
「バスタオルぐらいかしら。お兄ちゃんの部屋のクローゼットに頂いたタオルがいっぱい入ってるわよ」
「分かった。見てみる」
「百花の部屋のクローゼットにもあるかもしれないわ。上の方」
「見てみる。いいのあったら全部貰っていい?」
「いいわよー」
40人分の白いタオルなんてうちには無いとは思うけど、呼びかけても不揃いになりそうだし。
出来たら家にあるもので揃いたいけれど。
そう思い、クローゼットを開ける。
背が小さいので上の棚は確かにお父さんの冬ものや、子どもの頃の玩具が入った段ボールとかが隙間なく詰め込まれていた。
プラスチックの白い箱にタオルらしきものが見えたので背伸びして取った。
するとふわりと足元に落ちてきた白いタオルに、思わす固まってしまった。
「なにこれ」