青春メトロノーム

白いタオルは、あちこち引っかかったように破れていて、茶色い汚れが点々とついている。水でも濡れて錆びた?

それとも――血?

頭が真っ白になって立ちつくしていたら、階段を上る音がした。

「おい、あったか?」


それは私の家に、自分の家の様に入ってきた暁の声だった。

咄嗟にベッドの下にタオルを隠すと、プラスチックの箱を見せた。

「急に入って来ないででよ。今、これを見つけたばっかだよ」

「連絡しようにも俺、お前の携帯知らねえし。お、いっぱいあるじゃん」

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