青春メトロノーム
「やっぱ揃えたいから買った方がいいと思うよ」
「そうだな」
頂きもののタオルは、どれもカラフルなものばかりだ。
「とりあえず」
「うん」
「ケータイ出して。番号交換」
唐突に話を変えられたけれど、私も部屋から早く出て貰いたくて、頷く。
「暁の家、まだ片付け終わらないの?」
お互い携帯を振りながら、何気に聞く。受信されたので自分達の携帯を見ながら、暁もただ頷いた。
「まあな。どっちにしろ俺の部屋は入らん方がいい」
「……汚いの?」
男の子二人の部屋なんて、確かに綺麗だとは思えない。
颯太なんて部活が終わったら玄関で靴下を脱ぎ、廊下に点々と服を脱ぎ散らかしシャワーに向かっていたのを思い出した。
「いや、襲ってしまいそうだから」
「お?」
暁の口から信じられない言葉が出てきて面食らう。
襲う?