青春メトロノーム
おじさんと颯太、暁とおばさん。
六年間離れていたのは――私のせい?
「お前のせいじゃねえに決まってるだろ。暁の話なんか聞かなくて良い」
「颯太!」
「行くぞ!」
部活終わりの、土だらけの体操服姿の颯太は私に路地裏を指差した。
暁からじりじりと離れ、怪訝そうな顔をされた瞬間に鞄をぶつけて走り出した。
「百花!」
暁の腕を、――今度はおじさんが掴み、静かに淡々と何か話しあっているのが伺えた。
「なんで親父とラーメンなんか食べてるんだよ」
颯太は呆れて、お腹を押さえながら私を見た。
「暁が色々おかしいことばかり言うから」
「あいつが毒を吐くなんていつものことだろ、いちいち反応してたらストレスで禿げるぞ」
「……颯太は暁があんなに変わった理由が分かる?」