君の笑顔が見たくて
「はぁ、はぁ、はぁ」

苦しい

走ってきてなのか

2人のことでなのか

分からない



もう苦しい

自然と涙が溢れてくる

勝手にポロポロと

アスファルトを濡らしていく

もうどうやって顔を合わせればいいの?

ねえ、輝教えてよ

輝、輝…てる…


膝を抱え込んで

どれくらい泣いたんだろう




「お嬢さん?大丈夫…?」

知らない男の人の声が聞こえる


顔を上げてみると30代か40代のおじさんが

話しかけてきた

「そんなとこで座ってたらどんなに春でも風邪引いちゃうよ?」



「あ、すみません、」


やば。

知らない人に心配されちゃった

仕事帰りに余計な心配かけさせたな

「心配かけてすみませんでした」

そういって、その場を離れようとした瞬間に

がっと腕を捕まれた




「きゃ!」




地面に体を押し付けられた

やだ!

気持ち悪い!

ブラウスのボタンを外されていく


「やめてください!」


抵抗しようとしても

押さえつけられて

動けない


ブラジャーのホックを触られそう


やだやだやだやだ!

さわらないで

助けてという声をあげよう

としても強張って声が出ない

うちの人生ってこんなもんなのかな?

今日はいいこと一つもない

あぁー…もう終わりだ…



「おい、おっさん」


ホックを触る手が止まった

「女子一人も無理矢理じゃないと抱けないのかよ」

誰の声…?


「可哀想だろ?お前みたいなおっさんに抱かれる女が。その汚い手をその女から離せ」


「お前こそ誰だ!いきなり!」


「俺の名前?それぐらい知っとけ。」



その夜この人と

深い関係なるとは予想もしていなかった


その男はおじさんを蹴り飛ばし

一言放った

「清沢 黎。薇黎団の時期総長だよ」
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