夢の言葉は魔法の呪文【8月改訂版公開にあたり表紙に追記あり】
序章 プロローグ
【17歳の2月/別荘近くの海】

私の恋愛には、タイムリミットがある。


「…ねぇ。
私がここから連れ去って、って言ったら…。
貴方はどうする?」

ザザァ…ッと、静かに波の音が響く砂浜。
私は一人の男性を見つめて言った。

色素の薄い、栗毛色の髪と瞳の男。
彼は私の召し使い。


そして、私がこの世で1番愛おしく想う相手。

……。

けど、その恋は…もう終わる……。

来月の3月3日、私の18歳の誕生日。
祖父に決められた婚約者の元へ…行く。

それはここに来た時から決まっていた。
彼と出会ったのも、ちょうどその頃だった。


私がこの別荘に花嫁修業の為に来た、17歳の春。
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