悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?

秘書室の入ってすぐのデスクに赤いフリージアが飾られていた。
それだけでも気分が良くなるのだけれど、優秀な社員だけ集まっている秘書室には隙がない。

「いいえ。英田さんに習ったまでです。此方、纏めておいた副社長のスケジュールです。こちらは要確認の取引で」


海外との取引が中心となる上に、様々な国との取引をするうえで、私みたいに何カ国語も喋れる秘書が必要だった。
私も一年、オーストラリアに留学して、巧とは一年遅れでこの会社に入社しているが、通訳が出来る社員は即戦力として仕事を任される。

27になった今では、副社長の第一秘書まで任される地位になっていた。

「ありがとう。とても助かるわ」

新入社員の研修期間もとっくに終わり、一緒に仕事しても信頼できる部下ばかり揃っていた。
女性は私を入れて2人、男性は巧を入れて2人。

会社のパイプ役、通訳、会社の会議に社長の代役で参加など仕事が山ほどあるが皆自分達の能力を回ってくれているので、スムーズに仕事が出来る。
能力の高い優秀な軍団と言っても過言ではなかった。
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