悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?
「ありがとう。急いで来てくれて」
「……んだよ。素直だな」
照れくさそうに髪を掻きあげた後、何だかおかしくて二人して笑った。
びしっと決めれる何かは無かったけれど、私は巧の登場にホッとしたのも本当だった。
「社長は?」
「竜崎と先に向かわせた。そんなに急いで戻る必要はねえかな」
「そう。でもさっさと終わらせて飲みに付き合ってもらおうかな。今、すっごい誰かさんのおかげでストレス溜まってるから」
「言ってやるな。確かに覚えることは山積みだが、少しは前進してるんじゃねえかな」
と言いつつも、巧の顔にも疲労が見える。
「仕事の愚痴は言うけど、巧って人の悪口は言わないよね」
「社長以外な」
「社長以外だったね」
あの人の突拍子のない行動に苦笑しつつ、何故だが庭園を横切って遠回りしつつ会食の場に戻ることになっていた。
たゆたう池の中の鯉、小さな橋が掛った池。
二人が歩くとじゃらじゃらと小石の音が響く。
空にはぽっかりと月が浮かび、優しく庭園と私達を照らしていた。
「……んだよ。素直だな」
照れくさそうに髪を掻きあげた後、何だかおかしくて二人して笑った。
びしっと決めれる何かは無かったけれど、私は巧の登場にホッとしたのも本当だった。
「社長は?」
「竜崎と先に向かわせた。そんなに急いで戻る必要はねえかな」
「そう。でもさっさと終わらせて飲みに付き合ってもらおうかな。今、すっごい誰かさんのおかげでストレス溜まってるから」
「言ってやるな。確かに覚えることは山積みだが、少しは前進してるんじゃねえかな」
と言いつつも、巧の顔にも疲労が見える。
「仕事の愚痴は言うけど、巧って人の悪口は言わないよね」
「社長以外な」
「社長以外だったね」
あの人の突拍子のない行動に苦笑しつつ、何故だが庭園を横切って遠回りしつつ会食の場に戻ることになっていた。
たゆたう池の中の鯉、小さな橋が掛った池。
二人が歩くとじゃらじゃらと小石の音が響く。
空にはぽっかりと月が浮かび、優しく庭園と私達を照らしていた。