悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?
すると内線で受付から連絡が入った。
「栄田さん、高永室長です」
「あれ、もう起きれたんだ。ありがとう」
私のうっかりした発言に、立花さんがはにかむように照れた。
でも残念ながら、私と巧の間には何もない。
『もしもし。新人が来てるんだけどそっちに向かわせた方がいい?』
「いえ。こちらから挨拶に向かうわ」
『あー。分かった。2階の会議室に待機してるから』
一瞬、巧の声が煮え切らない様子だったけれど気にせずに内線を切った。そしてすぐに後ろを振り返り、ディスクで作業している皆を見る。
「今日、急なんですが高永のおばあさまの紹介の方が入社するらしいの。私達もその人に挨拶に行ってみましょう。高永家の紹介ならば、それなりの地位の方かもしれないし」
一人だけ電話が来た時用に待機してもらい、私達も巧がいるだろう二階の会議室へ向かった。