悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?


社長や副社長のスケジュール管理や取引先との社交やら他の部署とのパイプ役である私達は、社長室横の秘書室から滅多に出ない。
そのせいで廊下ですれ違う人、擦れ違う人たちが道を開けていく。

たかが四人の秘書だけれど、外見も然ることながら内面、知性、全てにおいて秀でているので臆することなく進んでいく。

そんな私達を束ねる巧自ら出向く相手に、私も興味があった。


ノックをすると、巧が『どうぞ』と短く言う。

先に残ってくれた部下が巧に連絡を回してくれていたようで、スムーズに中へ入れた。

「失礼します。挨拶に伺いました」

「え、うわ、美人っ」

「……?」

巧の横に居たのは、リクルートスーツを着た学生だった。

「室長、おばあさまの紹介の方はどこなの?」

「……目の前にいるだろ」

「……どこ?」
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