悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?
午後は、お昼の事件で押してしまった社長たちの仕事をカバーして終わった。
途中で巧がちょっとだけ会社から出て行ったけれど、こちらは此方で忙しくてそれどころではなかった。
ので、キースには今日の予定を聞く時間は無かった。
(キースっていつまで日本にいれるんだっけ?)
友人としてならば、これからもキースとはきちんと関係を続けていきたいから、はっきり報告も兼ねて飲みに行くのは良いと思う。
巧と三人とかで。
と思いながら、延々と続く書類整理のために、キーボードを叩き続けた。
社長たちも、タヌキだけあって腹黒い頭脳は頭も良い。
書類はほぼ目を通し、次の会議の資料まで目を通してくれた。
ので、定時に帰れるとウキウキと時計を見上げていた。
「英田秘書、内線2電話です。受け付けから」
定時を過ぎ、帰り支度をしていた時にその幸せは打ち壊される。
「もう退社したってことで」
「なんか来てるみたいです。お客様が」
「お客様? アポなしで?」
「いや、受付でアポ取ってるって言ってるみたいです。タウンゼント様が」
「キースが?」