悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?
それは、私と森元さんみたいな間柄ということか。
「そっか。巧とキースならお互い頭も良いし、話も合いそうだから残念だね」
「同じく。女性同士のギスギスも私は残念です。いつも、天下を分ける大仕事の裏では女性はギスギス。たまに大仕事にヒビを入れることも」
キースは足を組みかえながら、苦笑する。
自分に集まる熱い視線と、私へ向けられる嫉妬の視線に気づいているのだろう。
「まあ、私みたいに完璧になれない人たちは、憧れるより嫉妬する方が簡単なんだと思うよ」
「あはは。シノのその強気、やはり好きだな」
「強気じゃなくて、事実。憧れて努力するより、嫉妬して悪口言う方が楽なの。可哀相よね」
まあ、憧れたり嫉妬されても中身は、巧とようやく両想いに慣れたばかりの恋愛初心者の不器用モノですが。
でもそんな素を見せないほど完ぺきに自分を隠して笑うこともできる。
目を細めてキースが私の顔を見ると、満足そうに頷いた。
「彼と上手く行ってるってことですね。その自信がさらに君を綺麗にしている」