悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?
「なっつ――プライベートです」
頬が熱い。真っ赤になって無きゃいいけど、冷静さを演じて目を閉じて澄ましてみるが、逆効果なのか、クスクスと笑われてしまった。
「隠すことは無いのに。彼と順調なのは悔しいけれど、けれど君を本当のお姫様にできるのは私です」
「キースも自信満々よね」
「シノが望めば、イギリスで古城でも買って二人で暮らしますよ」
「古城って修理費と維持費が高いって聞いたけど」
ロマンチックなキースの言葉に、現実的で夢の無い返事をしてしまうが、キースは声を出して笑う。
現実に存在する王子様が声を上げて笑っているのが、珍しいのか受付嬢や帰宅途中の女子社員たちの頬が真っ赤に染まっている。
「どうですか? 今からでも彼を止めて私にでも」
「ふふ。キースとはこれからも何でも言い合える友達で居たいかな」
キースが何とも言えない笑顔で固まる。
が、キースははやり尊敬はできるものの、恋愛対象としては考えられない。
今、私の心の大部分に侵入している人物の存在が大きすぎて、キースまで侵入できない。
そこで、キースの飲みものが空になったのが分かった。
もう定時だし、誰かに言うのも面倒だったので私が御代りを持ってこようと立ち上がる。
ついでに遅い巧に内線を入れてみよう。
誰かに伝言を頼んで、伝わって無かったり今回みたいなミスがあっても嫌だし。
「シノ」
頬が熱い。真っ赤になって無きゃいいけど、冷静さを演じて目を閉じて澄ましてみるが、逆効果なのか、クスクスと笑われてしまった。
「隠すことは無いのに。彼と順調なのは悔しいけれど、けれど君を本当のお姫様にできるのは私です」
「キースも自信満々よね」
「シノが望めば、イギリスで古城でも買って二人で暮らしますよ」
「古城って修理費と維持費が高いって聞いたけど」
ロマンチックなキースの言葉に、現実的で夢の無い返事をしてしまうが、キースは声を出して笑う。
現実に存在する王子様が声を上げて笑っているのが、珍しいのか受付嬢や帰宅途中の女子社員たちの頬が真っ赤に染まっている。
「どうですか? 今からでも彼を止めて私にでも」
「ふふ。キースとはこれからも何でも言い合える友達で居たいかな」
キースが何とも言えない笑顔で固まる。
が、キースははやり尊敬はできるものの、恋愛対象としては考えられない。
今、私の心の大部分に侵入している人物の存在が大きすぎて、キースまで侵入できない。
そこで、キースの飲みものが空になったのが分かった。
もう定時だし、誰かに言うのも面倒だったので私が御代りを持ってこようと立ち上がる。
ついでに遅い巧に内線を入れてみよう。
誰かに伝言を頼んで、伝わって無かったり今回みたいなミスがあっても嫌だし。
「シノ」