悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?
「この方は研修先に任せて、貴方も戻って頂戴。高永室長」
「あー……分かった」
面倒くさそうに言われて、何だか傷つく。
しかも冴えないあの子には、王子様スマイル向けて去っていくんだから。
私も深々と一礼すると、すぐに廊下を歩きだした。
「なんか、付き合わせちゃってごめんね、皆」
「いえ。たまには他の部署とも交流は必要なので」
フォローしたつもりがフォローされてしまい申し訳なく思う。
すると続けて巧が会議室から出てきた。
私は足を止め振り返ると唇を尖らせて不満を零してしまった。
「……何あの子。本当におばあさまの紹介なの?」
「俺も驚いたけれど、悪い子ではなさそうだったよ」
苦笑する巧の目が、私には向けられないような優しい雰囲気でなんだか面白くない。