悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?


「どっちが勝っても嬉しくないんじゃないですか?」

クスクスと立花さんが笑う。これはちょっと酔ってるのかもしれない。意外だ。

「嬉しくない。でもちょうど良かった。私がオーストラリア支社に移動なのは決定みたいだから、その時は二人に頼むね。社長は甘やかしたら調子に乗るから、死なないギリギリの忙しさに調節してあげて」

「え、まだ辞令降りてないっすよ! 向こうだって会社設立まだでしょ?」

「私に社長を止めることができるか……」

「でももたもたしてたら、森元さんが秘書課に配属されちゃうよ」

「うわー。英田秘書それ、かなりキツイっすよ」

二人が真っ青になっているけれど、二人ならばそれほど心配はしていない。
来年に新しく入ってくるだろう新入社員を育てて二人のサポートをしてくれたらきっと問題ない。

「もちろん、辞令が下りるまで森元さんはバシバシ指導するけどね」
「お願い致します」

二人に深々と頭を下げられて、苦笑する。
そして、ダーツしている二人を囲んでいる森元さん達を見た。

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