悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?
「ああ、おはよう」

「昨日は随分楽しそうでしたけれど、ご無理されないように」

豪快に巧に笑っているうちの父親に、冷やかな視線を送りつつ副社長へ視線を向ける。

「副社長にはスケジュールからオーストラリアの取引やら、新入社員の指導係やら聞きたいことが山ほどあるのでお急ぎください」
 
副社長の笑顔が曇ったが、私の笑顔は最高に輝いていたと思う。

自分の預かり知らないところで、色んな事がこっそりと動きだそうとしてるなんて、この会社を一番に考えて働いてきた私には到底許せるものではない。

隠しごとは許さない。全部吐き出させてやる。

これぐらいの意気込みでないと、副社長の秘書なんて務まらない。
そう思って日々仕事をこなしていた。

私の笑顔に、最初は誤魔化していた副社長も空が黄昏に染まるころには白状してくれたのだった。

「君達って、いつ結婚するの?」
そんな、爆弾を落としながら。
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