悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?


それから数週間して、栄子おばあさまの誕生日に婚約お披露目もすることになり、両家の両親と家族、そして誕生日のパーティに招待された人たちで栄子おばあさまの住む老人ホームに集結した。

おばあさまの誕生日会へ行く前に市役所で婚姻届を提出してきた。
市役所の方々に『おめでとうございます』と言われて赤面しつつも、にやけながらおばあさまの所へ向かった。

――今日、私達は入籍した。私は『高永 志野』になったんだ。

それがなんだかこしょばゆくて、歩きながらも爆発しそうになると巧の背中を叩いてしまった。

「志野さーん」

温室へ向かっていると、真野に車いすを押して貰っている栄子おばあさまが手を振っていた。


事前にコンシェルジュさんと打ち合わせしていたので、周りの入居者さんたちに迷惑にならないようにと、庭園の奥にある温室をお借りすることがでいたので、結納の後はそこで、おばあさまのお祝いをした。

「まあ。二人はハワイで挙式するのね」

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