悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?
「止めたわ。一気に冷めた」
「そうですよ。英田さんが気にする様な人じゃないです。同じ部署になったら、チームワークが必須ですから鍛えなきゃですけど、室長が指導するなら心配ありませんよ」
「そうね」
私も巧なら信用できる。
あの腹黒い王子様が、自分の上辺だけでキャーキャー黄色い声を上げる人たちにフラフラするはずないし。
同じ部署になるならば使えるぐらいに指導するだろうし。
感情面では、愛想笑いして目をかけて貰ってる森元さんが気に食わないけど。
「それより問題は目の前の資料作りと、キースよね」
留学の時以降、細々とメールで連絡しあってたぐらいだから、会うのは18の時以来、9年ぶりぐらいかな。
代わり過ぎてて驚かれたりしないよね。
「英田さん、この両社の食事と話し合いですが前後はどちらが――」
仕事モードに切り替わった立花さんに申し訳ないので、私もすぐに仕事に頭を切り替える。
すると暫くして、内線で竜崎から巧へ呼び出しがあった。