ストーカー気質からの脱却を試みる
久しぶりにお邪魔したきょうくんの家で、わたしの目の前にはきょうくんの携帯が置いてある。
そして彼はお風呂に入っているという、耐え難い状態だった。
「見る?見ない?見ちゃいけない?」
人の携帯を見たことなんてない。
(気になったことがない)
でもわたしの知らないきょうくんが詰まっているような気がして、そーっと画面に手を伸ばしてしまった!
「未確認のメッセージはなし…」
見えるのは時間だけ。
パスワードでロックを解除しろと表示された。
「どうしよう」
知っているのである。
パスワードを知っているのである。
はるが登場してからというもの、きょうくんが携帯を使うときは食い入るように横目で見ていたから。
気になるはるという人物。
気になるきょうくんの生活。
開けられるパスワード。