私の王子様は、冷酷なんかじゃありません

一瞬で頭が覚めた気がした。

さあっと血の気が全身から引いていく。


「ちっ、違うんです今のは冗談で…!ありますよ家くらい!ただ、妹と喧嘩してるから帰るの気まずかっただけ…」




「──来る?」



私の必死の嘘の弁解を遮ったのは、

王子の淡々とした声だった。




え?




来るって?


誰が?


どこに?



ん、そもそもなんて言ったの?





< 10 / 300 >

この作品をシェア

pagetop