私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「へー!そうだったんだ~。俺、ほんとは正直びっくりしたんだよね」
そういって、朝霧さんが少し真面目な顔になる。
え、びっくりしたって、何が?
きょとんとする私に、朝霧さんが続ける。
「蓮が女嫌いっていうか、女の人が苦手なのは知ってる?」
「はい…」
勘違いは勘違いだったにせよ、
王子にとっては辛かったはずの高校時代。
そのせいで、王子にとっての女の人は、恐ろしい存在になってしまった。
「そんな蓮が女の子連れてくるんだもん。びっくりしたよ。しかも、その子の事すげー大事なのが見てて分かるし…俺、女の事でやきもちやいてる蓮なんて、初めて見たからさ」