私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


さっきまであんなに恐怖で怯えていたのに

一気にものすごい安心感に包まれた気がした。


「悪かったな、嫌なこと思い出させて。
もう兄貴の事は無理に教えてくれなくてもいい」


そういって、私を抱き締めていた腕を解く類。

そして私の頬をつたう涙を、類が手で優しくぬぐってくれる。



「…………あり、がとう…」

「……ん。」




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