私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


「ごめん」


そんな言葉を残して、いたたまれなくなって俯く私の横を類が通りすぎる。

───待って。


心の中でそう叫ぶだけじゃ、類は止まってはくれない。


公園を出ていく類。




開いていく、類との距離。






私は類をひきとめることができなかった。






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